今の今井

今井の雑記です。

今後の金属スクラップの価格推移の動向とその理由を分析

金属スクラップの近年の価格推移の動向は

なぜ価格が上がったのか?

金属スクラップの価格推移は東京製鐵株式会社の購入価格推移グラフを参考にすると2020年の秋から上昇をしてきましたが、2021年になって1月に大きく下落しました。

価格が上がる原因は中国の環境政策があり、2020年9月に国連総会で2060年までに二酸化炭素の排出量を実質ゼロにするよう努めると発言したことがきっかけです。

このため、中国国内では電炉の比率を高めることを目標に、異物が混入した鉄くずの輸入禁止を緩和したためです。規制緩和の要因は再生鋼鉄原料として再利用をするようにし、鉄くずをリサイクルして環境を保護するためです。

世界の粗鋼生産量は全体で18億トンになりますが、新型コロナウイルス感染症の影響で中国が10億トンと半分以上の割合を占めています。

このため、中国がトップの習氏が国連総会において環境対策を強化すると発言し、金属スクラップを積極的に活用するよう方針転換をしたことで価格が乱高下しています。

金属スクラップの値動きはは鉄鋼製品の価格にも影響する可能性があり、中国の環境対策の状況に応じて変化する可能性が高いです。

 

2021年1月末に急落した要因とは

金属スクラップの価格推移は2020年の秋口から上がり続けてきましたが、2021年を迎え1月末には大きく下落しました。その要因は電力会社の節電要請のためであり、一部の電炉メーカーが生産調整を余儀なくされたためだと言われています。

また、国内では東京製鐵宇都宮工場の定期修理があり、荷受け制限があり価格の東西差を生んだために起きた可能性が高いです。

節電要請は1月は気温が低く暖房器具などを使うため消費する電気の量が多くなり、新型コロナウイルス感染症の影響で行われた可能性があります。

また、近年では日本国内においても節電傾向があり経費削減のため炉がストップする可能性もあり、そのタイミングで下がる可能性も高いです。

 

なぜその後は上がったのか?

しかし、2021年2月になると金属スクラップの価格が再び上昇に転じ、その背景には中国が規制緩和を1月に行ったことが原因だとされています。

また、台湾からの日本産の鉄くずの引き合いなどが発生し、日本国内から海外への輸出傾向が強くなったためです。このため、日本国内の地場電炉向けの価格が追う形で上昇した可能性があり、今後の環境対策に応じて変化すると言えます。

 

今後の金属スクラップ業界と価格推移の展望

価格の変動は中国の動向次第になる

金属スクラップの価格の変動は中国の動向次第になると予想され、その理由は5月までの経済は順調に推移するものだと見られているためです。このため、価格推移は現状を維持するものだと予想され、以前は3万5千円程度でしたが4万円前後で変化しています。

※鉄スクラップ(鋼スクラップ)価格

2021年の鋼材市場は鉄鉱石や石炭、鉄スクラップなどが関係し、高止まりをすると予想されています。なぜなら中国は新型コロナウイルス感染症が起きたものの、他の国よりいち早く経済活動を再開したためです。

中国は資源が豊富に採れるため世界のエネルギーに影響を与えやすく、3月に全国人民代表大会があり議論される内容に注目されます。

 

日本にはどのような影響があるのか

2021年は鉄くずを中心とした金属スクラップの高騰があり、価値が低かった金属やマイナススクラップが使える資源になることが予想されます。

また、新型コロナウイルス感染症の影響で日本でも節電など経費の削減が求められ、リサイクルをすることが求められます。金属スクラップはそのまま廃棄するともったいなくなるため、高い値段で買い取ってもらうと有効活用できて効果的です。

しかし、近年では新型コロナウイルス感染症の影響で社会情勢が大きく変化しやすく、アメリカでもバイデン大統領が脱炭酸をすると公言しています。このため、日本においても金属スクラップの価格推移は気になるところですが、近年では値動きが難しくなっています。

ただ、多くの国で金属スクラップの輸出緩和が行われて発生自体は大きく落ち込まないことが予想され、価格が高騰することで資源を有効活用できる可能性が高いです。

今後の金属スクラップ業者に求められること

金属スクラップ業者は利用者との距離を近づけ、ユーザーを第一に考えて取引をする必要があります。

また、一般向けの引き取りや小ロットの対応を柔軟に行い、資源を有効活用できるようにすることが重要です。そのほか、インターネットやSNS、キャッシュレスをうまく活用し、便利で分かりやすいサービスを提供して利用しやすくすると気軽に資源の有効活用ができます。

金属スクラップは輸出して事業を伸ばすことではなく、リサイクルを行う業者が成長する可能性が高いです。近年では日本における製鉄業を行う業者が少なくなり、金属スクラップなどの廃棄物が減っています。

また、日本は鉄スクラップを減らすことで環境を保護することができ、リサイクルビジネスが飛躍する可能性があります。

今後の金属スクラップの価格推移はどのようになるのか

金属スクラップは輸出よりもリサイクルされることが予想され、廃棄物を発生させないようにする可能性があります。※有価物回収率を意識した選別ライン等

また、中国では環境政策を推進し二酸化炭素を削減する動きがあり、ほかの国でも同様の傾向があれば価格は上がる傾向が強いです。

2020年は新型コロナウイルス感染症の影響で社会や経済の動向が大きく変化し、今までの常識が通用しなくなる可能性があります。

また、日本においても製鉄業が衰退しているため金属スクラップの発生が少なくなり、輸出の需要が低くなるとリサイクルをしたほうが環境を保護できて効果が高いです。しかし、中国は規制緩和をして金属スクラップの輸入を解禁しているため、価格が上がれば輸出をしたほうが効果があります。

今後はエネルギー事情も大きく変化することが予想され、金属スクラップの価格推移は読みにくいものです。リサイクルは環境を保護するために貢献できるため、金属スクラップ業者は関係する企業との関係を良くする必要があります。金属スクラップは環境問題に密接に関わっているため、価格推移を確かめ最適な方法を決めることが重要です。